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北欧浮き草暮らし

北欧浮き草暮らし

怒りのラマダン

私がノルウェー語教室に通い始めたのは冬が来るのを目前にした10月末であった。

ラマダンとはイスラムの断食月のこと。
イスラムの人々は日の出から日没まで断食し唾でさえ飲み込まないとのこと。
なんとなく知ってはいたがそこまでするのか!と最初驚いた。

この年ラマダンは10月末から始まった。
最初のころは全然気にならなかったのだが、2週間目ともなると皆口数が少なくなってきた。
私とギルデータは休憩中お菓子をぽりぽり食べたが他は一切口にせず。
パキスタン人のシャイスターはお祈りを始め、チェチェン人のアドランは外で唾ばかり吐いていた。
そして休む人が増えてきた。
寒いノルウェー、動かなくてもエネルギーを消費してしまうのに日中何も口に入れないなど病気になりますと言ってるようなものではないか。
授業が滞り始め先生の小言も増えてきた。

そんな時パキスタン人のザワーが
『明日は4時5分からご飯を食べはじめないといけないので学校を休みたい』
と言うではないか。
12時から16時15分まで授業がある。
彼とシャイスターは宗教大学で勉強したほどの敬虔なイスラム教徒である。
そして何が何でもこの時間に食べ物を口に入れ始めないといけないと言い張る。
先生があきれて、それなら何か食べるものを持ってきてここで食べなさい、と言うが不満げであった。

そして次の日彼らは休んだ。

結局この一ヶ月間彼らのおかげで授業はほとんど進まなかった。
私1人の時もありそういうときは先生とおしゃべりしたり早く切り上げたり。
ギルデータはブラジルへ里帰りのため仕事が忙しくほとんど出てこれなかったし。

そしてラマダンが明日で終りという日
またまたザワーが学校を休みたい旨を言い始めた。
なんでもラマダン開けに一日中食べるイベントがオスロのモスクであるので行くと言うのだ。
前後入れて3日。
これは大切なイベントで他のクラスメイトも行くから授業自体を休みにして欲しいと言う。
これには先生ぶちきれましたね。(怒)

まあ最後には話し合いで一日だけということで話がまとまった。
他の人はオスロに行かないと言うから。

ところが次の日学校に行くと誰も来ていないではないですか!
先生と話して結局イベント開けの日もこないだろうから来なくていいといわれ。

ラマダンに振り回された一ヶ月
せっかく得たノルウェー語教室であるが彼らに対する不信感は募っていった。




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